2014年7月19日土曜日

社説:7・18付琉球新報 どこが「負担軽減」なのか


安倍首相は一つ覚えのように「負担軽減」を繰り返しますが、米軍はそれと真逆の基地機能の強化に余念がありません。重要な琉球新報の社説「飛行制限拡大 どこが「負担軽減」なのか」を紹介します。一部を抄出します。 

 〈日米両政府はことあるごとに「沖縄の負担軽減」と口にするが実際に軽減したためしはほとんどない。それどころか、かえって負担が重くなった例は枚挙にいとまがないほどある。

 これもそんな例の一つだ。米軍キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブにまたがる中部訓練場の上空で、米軍が民間機の飛行制限空域を拡大する方針であることが明らかになった。海兵隊の基地運用計画「戦略展望2025」で記している。

  県民を締め出す空間を一層広げようというわけだ。これを認めるなら日米両政府は今後一切「負担軽減」と口にしないでもらいたい。

  現在の飛行制限空域はキャンプ・シュワブ上空で高度608メートルまで、ハンセン上空は912メートルまでだ。

  計画書はそれを「raise」、引き上げると記す。どの高さまで上げるかは判然としないが、制限を拡大する方針なのは間違いない。

  計画書はさらに、普天間代替基地建設などにより、海兵隊の「航空・船舶による輸送能力は高まる」と記す。だが辺野古の新基地の滑走路は現在の普天間基地より短くなる。それでいて輸送能力が高まるというのだから、航空面を指すとは考えにくい。辺野古新基地は強襲揚陸艦も接岸できる軍港機能も備えるということであろう。

  日米の軍事一体化に熱心な日本政府が、昨年の段階で米軍がまとめた計画書を知らないはずはあるまい。だが小野寺五典防衛相は「(これまで)沖縄防衛局が説明した内容に尽きる」と軍港機能を否定する。県民に隠したままというのはあまりに不誠実ではないか。

  そもそも沖縄はおびただしい制限空域・海域に囲まれている。制限空域の総面積は9万5千平方キロ、沖縄の県土の42倍にも及ぶ。

  それをさらに広げるというのだ。言い換えれば、沖縄の主権剥奪をさらに進めることになる。それなのに沖縄側の意見を一切聴こうとせず、米国が勝手に決め、日本政府も容認している。この態度の中に、民意を重んじる民主主義の精神は存在しない。日米両国はこれでも民主主義国と言えるのか。〉
 

〔参考記事〕 

◆◆社説・飛行制限拡大 どこが「負担軽減」なのか 7・18 琉球新報
 
 

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