2014年3月6日木曜日

3・5付琉球新報の社説が知事の3・3県議会答弁を厳しく辛辣に批判

●3・5付琉球新報・社説「「格段に安全」 知事は誰の代弁者なのか」は注目に値します。仲井真知事が3日、県議会本会議で「辺野古移設」容認についてのべた答弁は、社説が指摘したようにまさに日米両政府の代弁でした。
 社説は「今回の答弁は、埋め立て承認だけでなく、辺野古移設自体を積極的に評価する内容だ。県内移設の推進と受け取るほかない」とのべていますが、まさにその通りです。この社説はどうか熟読を。

●4日の県議会は埋め立て承認に関する仲井真弘多知事の「法律的には承認せざるを得ない」という調査特別委員会(百条委)などでの発言をめぐって空転しました。

 3・5付琉球新報はこう報じています。

 〈埋め立て可否判断に関する知事の裁量について、當銘健一郎土木建築部長は「裁量の範囲は極めて小さい」との国土交通省の見解を説明。これに対し野党は「裁量が全くないわけではない。知事答弁は詭弁(きべん)だ」(仲村未央氏=社民護憲)と反発し、承認は知事の政治的判断だと重ねて批判した。知事は答弁を避けた。
 最初の質問者の仲村氏は「承認せざるを得ない」との知事答弁に関し、公有水面埋立法の規定を国交省に照会するよう県に要求し、午前10時40分に審議が中断。県が同省の見解を得て議会に回答する午後4時45分まで審議が空転した。
 當銘部長は知事の裁量に関する国交省見解として(1)裁量はあるとする考えには違和感がある(2)適合している申請を不承認とすることに裁量の幅はほとんどない―などと紹介。「裁量があるともないとも言えない部分はあるが、どちらかというとないという話だと思う」と述べた。〉

 県は「裁量があるともないとも言えない部分はあるが、どちらかというとないという話だと思う」という、まったく主観的な判断をのべて逃げ切ろうとしていますが、「あるともないとも言えない部分」があるなら理論上裁量はあることになり、ないとは言えません。 野党と県とは国交省の見解をめぐって争ったのですが、「(1)裁量はあるとする考えには違和感がある(2)適合している申請を不承認とすることに裁量の幅はほとんどない」という県が頼る国交省見解も法の解釈として実に曖昧です。
 この論争で知事が「行使可能なはずの裁量権を行使しなかった」のではないかという疑惑が表面化しました。防衛省の埋め立て申請は「合法だから承認」というタテマエにしがみつく知事の姿勢にはいよいよ不信が湧いてくると思われます。編集部

●3・5付沖縄タイムス記事「知事、国申請受け県外「後退」 県議会」がこう報じています。

 〈仲井真弘多知事は4日の県議会(喜納昌春議長)一般質問で、普天間飛行場の県外移設を求める自らの公約について、国から辺野古海域の埋め立て申請を受けた昨年3月時点で「まるごと県外移設という形はオプションとして少し弱くなり始めたというのは確か」と述べ、約1年前から辺野古移設の可能性も念頭に置いた解決法を模索していたことを明らかにした。〉

 知事が県知事選で掲げた「県外移設」の公約は約1年前から棚上げされ、それからの知事はどうやって埋め立て承認と自分の公約との整合性を図るかに全力を注いだのです。しかしそれはもともと実現不可能な〈魔法〉であり、埋め立て承認の表明により彼は県民の信を失いました。 

〔以下は上のコメントに関連する記事〕

〔3・3知事答弁を糾弾する琉球新報社説と関連記事〕

◆社説:「格段に安全」 知事は誰の代弁者なのか  3・5 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220656-storytopic-11.html

◆辺野古「格段に安全で騒音改善」 知事「負担減」を主張  3・4 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220585-storytopic-3.html

〔県議会動向関連記事〕

◆辺野古埋め立て、裁量めぐり空転 野党「知事答弁は詭弁」 3・5 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220678-storytopic-3.html

◆県幹部、知事擁護も苦しい答弁 辺野古埋め立て  3・5 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220683-storytopic-3.html

◆県議会 「知事承認」判断めぐり空転  3・4 QAB/琉球朝日放送
http://www.qab.co.jp/news/2014030450890.html

◆知事、国申請受け県外「後退」 県議会 3・5 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=64107

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