【内閣改造】
●第2次安倍改造内閣の沖縄関係閣僚はまだ政策をはっきり語っていません。しかし9・4付琉球新報・社説「内閣改造 国民の批判に耳を傾けよ」にはこうあります。
〈山口俊一氏が沖縄担当相に就任した。3年目となる現行振興計画や一括交付金制度の在り方で、なるべく多くの分野の関係者と直接意見交換を重ねることが重要だ。
米軍普天間飛行場の辺野古移設計画を担う防衛相には江渡聡徳氏が就任、岸田文雄外相は留任したが、移設作業の旗振り役となっている菅義偉官房長官に「沖縄基地負担軽減担当」を与えたことは重大だ。悪い冗談だと言いたくなる。
移設問題は11月知事選の最大の争点だが、菅氏は「選挙結果は移設作業に影響しない」との考えを繰り返し示している。そのような非民主的な態度が許されるのか。
安倍政権は経済再生への期待を背に高い支持率を維持してきた半面、国民の多数が反対する中で特定秘密保護法の成立や集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行してきた。
普天間問題でも共通するのは、批判を受け止めない傲慢(ごうまん)な態度だ。景気は不透明感が増し、中韓両国との関係改善は見通しが立たない。国民、県民の声に耳を傾ける謙虚な姿勢がなければ、大きなしっぺ返しを食らうことに気付くべきだ。〉
新報が厳しく批判している菅官房長官の発言を産経記事「「明確なメッセージだ」 基地負担軽減担当兼務に菅長官」がこう報じています。
〈菅義偉官房長官は4日の記者会見で、内閣改造で新設した沖縄基地負担軽減担当を自身が兼務することに関し「負担を目に見える形で軽減し、沖縄県民の思いに寄り添いしっかり結果を出す。明確なメッセージだ」と述べた。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設については「米軍の抑止力と普天間飛行場の危険除去を考えたときの唯一の解決策だ。粛々と進めたい」と強調した。〉
「沖縄県民の思いに寄り添い」は「県民の思いを踏みにじり」という意味でしょう。「明確なメッセージ」の中身は「辺野古移設を粛々と進める」ということです。
●9・4付沖縄タイムス社説「[安倍改造内閣発足]負担軽減の道筋見えぬ」から抄出します。
〈内閣改造後の記者会見で安倍晋三首相は沖縄の米軍基地問題に関し「抑止力を維持しつつ、これまで以上に目に見える負担軽減をやっていく」と述べ、沖縄基地負担軽減担当相を新設し菅官房長官が兼務すると明言した。
そもそも政府の言う負担軽減とはどういう意味なのか、よく分からない。多くの県民が求めている負担軽減とは、米軍普天間飛行場を辺野古に移設することではない。新たな基地を造らずに普天間を閉鎖する方策に道筋をつけることが、県民の望む負担軽減の形である。
官房長官が兼ねる基地負担軽減担当相とはいったい何をするのか。なぜ、この時期に突然の新設なのか。設置するならもっと早い時期、さらに言えば第1次政権の時にできたはずではないか。
思い起こすのは、1月の名護市長選の最中に石破茂自民党幹事長(当時)が、辺野古移設推進候補を後押しするため唐突に500億円の基金構想を打ち上げたことだ。今回の基地負担軽減担当相も11月の知事選を意識した、とってつけたようなものにしか思えない。本当に負担軽減をやるのなら、まずボーリング調査を中止すべきだ。
沖縄北方担当相には新入閣の山口俊一氏が就任した。沖縄担当相の役割は、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画を推進することである。
昨年末、安倍首相が毎年3千億円台の振興予算確保を発言し、仲井真弘多知事がその後辺野古埋め立てを承認した。内閣府幹部は、新基地建設に反対する知事が誕生したら「予算の蛇口は絞る」と語ったという。そのような沖縄担当部局なら、はっきり言って必要ない。沖縄振興予算が基地受け入れの見返りであってはならない。〉
「そもそも政府の言う負担軽減とはどういう意味なのか、よく分からない。多くの県民が求めている負担軽減とは、米軍普天間飛行場を辺野古に移設することではない。新たな基地を造らずに普天間を閉鎖する方策に道筋をつけることが、県民の望む負担軽減の形である」はまったく正当な主張ですが、安倍や菅はまるで聞く耳を持ちません。安倍独裁政権に沖縄政策を変えさせるのは民衆の強制力であり、それしかありません。
●新防衛相は江渡聡徳(えと・あきのり)で、安全保障法制担当相を兼務します。山口俊一が内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)です。
なお江渡の所属団体・議員連盟はウィキペディアによれば次のとおりです。安倍は小野寺に代えて、右翼イデオロギーでより自分に近い江渡を選びました。
みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会
日本の前途と歴史教育を考える議員の会
政教分離を貫く会 ※
北京オリンピックを支援する議員の会
神道政治連盟国会議員懇談会
日本会議国会議員懇談会
注 ※ 公明党が創価学会を母体にしていることを批判するグループです。
また沖縄担当相になった山口俊一の所属団体・議員連盟はウィキペディアによれば、次のとおりです。安倍は自分の右翼イデオロギーに近い者に沖縄政策を担当させました。
日韓議員連盟(常任幹事)
みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[7]。
北京オリンピックを支援する議員の会
例外的に夫婦の別姓を実現させる会
神道政治連盟国会議員懇談会
日本会議国会議員懇談会
山口については、2008年12月21日、準大手ゼネコンの西松建設から、同社のOBらを代表とした政治団体を通して200万円の政治献金を受けていたことが報じられています。埋め立て工事を受注するため水面下で暗躍している「本土」ゼネコンは色めき立っているのではないでしょうか。
〔参考記事〕
◆◆社説[安倍改造内閣発足]負担軽減の道筋見えぬ
9・4 沖縄タイムス
◆◆<社説>内閣改造 国民の批判に耳を傾けよ 9・4 琉球新報
☆ ☆ ☆
◆西銘恒三郎氏が総務副大臣 9・4 琉球新報
◆内閣改造「意志表す」 仲井真知事 9・4 沖縄タイムス
◆【電子号外】内閣改造 山口沖縄相 菅氏が基地負担軽減担当 9・3 琉球新報
◆内閣改造沖縄担当相に山口氏 9・3 NHK沖縄
◆「明確なメッセージだ」 基地負担軽減担当兼務に菅長官 9・4 産経
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