9月3日、沖縄防衛局は埋め立て工事を早めるため、稲嶺名護市長による市長権限の行使を回避しようと、県に埋め立て工事の設計変更を届け出ました。県はその申請を承認するかどうかを審査中です。
県は仲井真知事の意を体して防衛局に極力協力する姿勢ですから、11・16投開票の知事選前に県が申請を承認する公算は大です。
設計変更の内容は下の参考資料の記事で確認してください。添付の図版「辺野古埋め立て計画変更の概要」も記事と照らし合わせて参照してください。
〔参考記事〕
◆辺野古埋め立て変更申請の承認、県「審査中」 県議会軍特委 10・8 琉球新報
・記事から
県議会米軍基地関係特別委員会(新垣清涼委員長)は8日、米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けて沖縄防衛局が提出した埋め立て工法の一部変更申請などについて審議した。辺野古ダム周辺で採取する埋め立て用土砂の運搬作業で、ダンプカーによる搬出への変更申請を承認するかどうかについて、県の末吉幸満土木整備統括監は「正当な理由かどうかを精査し、判断したい」と述べ、承認の是非については明らかにしなかった。新里米吉氏(社民護憲)の質問に答えた。
〔参考になる資料〕
◆辺野古新基地 防衛局設計変更の概要 9・5 沖縄タイムス
(1)美謝川切り替え 工事容易に
飛行場用地の造成でせき止められる美謝川の水路を切り替える。当初計画では、辺野古ダムから国道329号沿いに東へ向け、飛行場の北側に沿って海面まで設置する予定だった。変更では飛行場の地下にボックスカルバートを設置し、水路を造る。工事が容易になるという。飛行場の下に水路を造ることに米側の理解を得た。辺野古ダムを占用する必要がなくなるため、名護市との協議は不要。
(2)土砂運搬方法 ダムを迂回
当初計画では辺野古ダムの南側で採取した土砂をダム上部の橋に設置したベルトコンベヤーを使って、北側へ運ぶ予定だった。変更後は、国道329号を使ってダンプやトラックでダムを迂回(うかい)して運び入れる。
防衛局は「環境保全に万全を期してきたが、より一層保全できるようになる」と背景を説明。反対住民の阻止行動の懸念には、「仮定の話には回答を差し控える」。
(3)仮設道路の追加 運搬を加速
仮設道路3本、総延長2800メートルを追加。辺野古ダムの北側、国道329号沿いに新設する工事用ゲートから国道を横切る高架橋を通り、海へ向かう道路が1本目。キャンプ・シュワブ内の大浦湾側の海岸沿いで南北に延びる道路が2本目。シュワブ内の南側の海岸沿いで東西に延びる道路が3本目。車両が辺野古集落内の道路を通る必要がなくなり、騒音や振動を低減でき、効率化するという。
(4)中仕切護岸の追加 先行も視野
辺野古崎の西側に追加する。防衛局は「もともとこの場所に護岸を造っていれば、工事が効率的に行えると分かっていたが、道路がなかったので、当初計画には含まれていなかった」と説明。シュワブ内の仮設道路建設に米側の同意を得られたため、新たに追加したという。
この護岸と東側の護岸との間の海域を先行して埋め立てることで作業ヤードとして使用することも検討している。
【10・8付沖縄タイムスの平和のために大事な社説】
●10・8付沖縄タイムス・社説「[集団的自衛権]憲法との矛盾は明白だ」は大事です。熟読をおすすめします。
なお7・1解釈改憲閣議決定に対する批判としては国民安保法制懇が9月29日に発表した「集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回を求める」報告書が重要な参考文献の一つです。
PDF版を以下のURLで印刷できます。A4で8ページです。
〔参考記事・社説〕
◆◆社説[集団的自衛権]憲法との矛盾は明白だ
10・8 沖縄タイムス
・抄出
安倍政権は7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。行使容認によって自衛隊はどこへ赴き、どんな任務に携わることになるのか。国際社会での日本の立ち位置や国民生活にも大きな影響を及ぼす肝心の疑問に、政府は明確な回答を示していない。
安倍晋三首相は「丁寧な説明をする」と繰り返しているが、実際はどうか。
集団的自衛権を行使する判断基準になる「新3要件」の一つに、「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」と規定されている。
衆院予算委員会で「明白な危険」の範囲のあいまいさを指摘された安倍首相は、「明白な危険というのはまさに明白で、あいまいではない」と突っぱねた。さらに「アフガニスタンやイラク戦争への参加は武力行使の新3要件に反するのは明らかだ」と述べる一方、中東のホルムズ海峡での自衛隊による機雷除去は問題ないとの認識を示した。
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日米両政府は8日に発表する防衛協力指針(ガイドライン)改定の中間報告で、現行指針の協力枠組みである「日本への武力攻撃事態」「周辺事態」「平時」-の3分類を撤廃する方針だ。
現行指針は朝鮮半島有事への日米協力を柱とし、自衛隊の活動範囲は事実上、日本周辺を想定していた。これに対し改定作業では、地理的制約を撤廃し、中東地域のシーレーン(海上交通路)での機雷掃海も検討対象に加えられてきたという。
政府が、ガイドライン改定と「表裏一体」とする集団的自衛権の行使容認を受けた国内法整備は遅れている。こうした中、行使容認を踏まえ、米軍の世界戦略に自衛隊が深くコミットする流れは既成事実化しているように映る。
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「憲法解釈の変更」という立憲主義の根幹を揺るがす手段まで駆使し、安倍政権は集団的自衛権を行使容認へと塗り替えた。それでも「戦争の放棄」をうたった憲法9条がある限り、根本的な矛盾はぬぐいがたい。国際平和研究所(オスロ)の所長は今年のノーベル平和賞の予想で、憲法9条を保持してきた日本国民を第1位に挙げた。
米国との軍事一体化を進めることで「国の威信」は高められるのか。「積極的平和主義」を掲げ、憲法改正も視野に入れる安倍政権を支持する国民の良識も問われている。
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