【防衛相・佐賀県知事会談 オスプレイ状況】
●２５日の小野寺防衛相・古川佐賀県知事会談で鮮明になったのは、小野寺が米軍オスプレイについて佐賀空港を給油・整備など「訓練拠点」として使用したいとのべたことだけで、その他は７月２２日に武田防衛副大臣が古川知事に示した案と変わりません。
つまり同空港への暫定移駐案は引っ込めたのですが、これは米側が難色を示したからです。この点について８・２５付佐賀新聞はこう伝えています。
〈政府は当初、普天間飛行場の名護市辺野古への移設完了まで、海兵隊部隊の佐賀空港への暫定移駐を模索していた。米側が難色を示したため、できるだけ長く、同空港を訓練分散先として使用するよう米側と協議している。〉
また同日付西日本新聞はこう報じています。
〈小野寺氏は「沖縄の負担軽減で本土への訓練移転を進めている。本土訓練の時に給油、整備、その他で使わせてくれないか。米軍からも歓迎するという話をもらっている」と述べた。古川知事は賛否を示さず「住民に直接話していただきたい。安全性についても問い合わせが多い」と語った。〉
ところで佐賀空港を米軍が訓練で使用する計画については、訓練の現場を日出生台を含む九州の山間部にすることが思い浮かびます。そうなれば、米軍は空自築城基地や同新田原基地の使用も持ち出すのでないでしょうか。
●米海兵隊オスプレイを佐賀空港に暫定移駐する計画が頓挫したことは、仲井真沖縄県知事が求めている普天間基地の「５年以内の運用停止」がいよいよ不可能になったということです。
●陸自導入オスプレイ全１７機を佐賀空港に配備する計画は佐世保に新設される予定の離島防衛の「水陸機動団」を輸送するためとされていますが、それらのオスプレイは朝鮮半島や中国への兵員輸送にも使用できます。現に米軍のオスプレイは岩国基地経由ですでに何度も韓国に飛行しています。日米両軍による佐賀空港使用計画はとんでもない企みを秘めているのかもしれません。
〔参考記事〕
◆【速報】オスプレイ配備 防衛相、古川知事に協力要請 ８・２５ 佐賀
写真 小野寺防衛相（手前）を出迎える佐賀県の古川康知事＝２５日午前、佐賀県庁
◆小野寺防衛相:佐賀訪問 知事にオスプレイ予算計上を説明 ８・２５ 毎日
◆オスプレイ、佐賀配備を予算化 防衛相が知事に表明 ８・２５ 琉球新報・毎日
・記事の冒頭を紹介
小野寺五典防衛相は２５日、佐賀県の古川康知事と同県庁で会談した。小野寺氏は、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイ１７機を佐賀空港（佐賀市）に配備する計画について、２０１５年度予算案の概算要求に関連経費を計上する考えを伝える一方、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）のオスプレイを佐賀空港に暫定移駐させる案には言及しなかった。防衛省は沖縄の基地負担軽減の一環として、訓練移転の実績を積み重ねて将来の暫定移駐につなげる道筋を描いているが、現状では米国が難色を示しており、トーンダウンさせた。
◆オスプレイ、沖縄の負担軽減どこへ 佐賀から戸惑いと不信
８・２５ 琉球新報・毎日 ・記事の冒頭を紹介
陸上自衛隊が導入予定の垂直離着陸輸送機オスプレイなどの佐賀空港配備計画で、小野寺五典防衛相は２５日、米軍オスプレイについて沖縄からの訓練移転の拠点として佐賀空港を使う方針を強調した。佐賀県に暫定移駐を要請してからわずか１カ月余りで軌道修正したとも受け取れ、スタンスの定まらない政府に佐賀側からは戸惑いや不信の声が上がっている。
◆小野寺防衛相、オスプレイ予算を説明＝佐賀知事「政府は汗かいて」 ８・２５ 時事
◆知事がオスプレイ概算要求容認 佐賀に配備要請で「十分説明を」 ８・２５ 共同
◆オスプレイ佐賀配備を防衛相要請 知事回答保留 ８・２５ 読売／九州
◆【佐賀】小野寺防衛大臣が佐賀県知事に要請 ８・２５ 九州朝日放送
◆訓練移転の本土拠点に 小野寺防衛相 佐賀県知事に オスプレイ配備計画を説明
８・２５ 西日本／佐賀 ・冒頭部分を紹介
小野寺五典防衛相は２５日、佐賀県庁で古川康知事と会談し、自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画について「日本の安全保障のため理解をたまわりたい」と求めた。米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）のオスプレイが本土で訓練する際の拠点にする考えも示した。
小野寺氏は「沖縄の負担軽減で本土への訓練移転を進めている。本土訓練の時に給油、整備、その他で使わせてくれないか。米軍からも歓迎するという話をもらっている」と述べた。古川知事は賛否を示さず「住民に直接話していただきたい。安全性についても問い合わせが多い」と語った。
◆＝オスプレイ配備の先に ルポ＝ 軍港で発展「選ばれ誇り」 ８・２４ 佐賀
・記事の冒頭を紹介
写真 港湾施設の主要部分を米海軍が占める佐世保の市街地＝弓張岳頂上から撮影
写真 米兵男性の集団がデモ集会の前を歩く＝１日午後６時４０分、佐世保市の商店街
佐賀空港のオスプレイ配備計画は、陸上自衛隊の離島防衛専門部隊「水陸機動団」が長崎県佐世保市に新設されることに伴い、その輸送手段として浮上した。中国の海洋進出をにらみ、民間空港まで巻き込もうとする九州の「前線基地化」。軍備増強の中心でもある佐世保は、この動きをどう受け止めているのか。市民や関係者に聞いた。
◆オスプレイ安全性に不安 米専門家、構造上の欠陥指摘 ７・２４ 佐賀
写真 米軍普天間飛行場を目指し沖縄県宜野湾市上空を飛行するオスプレイ。プロペラの角度を変えて着陸態勢に入る
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