【アセス制度を否定する埋め立て工事計画の変更】
●10・27付琉球新報・社説「辺野古工事変更 アセス制度否定に等しい」は熟読に値します。前半を引用します。
〈無理に無理を重ね、法の趣旨を逸脱してまで新たな基地の建設を急ぐ姿勢が露骨に表れている。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄防衛局が県に申請している工事の設計概要の変更で、重大な事実が明らかになった。
名護市辺野古のキャンプ・シュワブ内にある美謝川の河口が埋め立てに伴って地下水路に切り替えられるが、その区域が当初計画の240メートルから1022メートルに延びた。
地下に水路(暗渠(あんきょ))を築く距離は4倍以上になっており、環境への負荷が高まるのは確実だ。
これだけ大きな変更は全く別物の計画と捉えていいだろう。法手続き上も、環境保護の観点からも問題が多過ぎる。
環境アセスメント学会の重鎮である桜井国俊沖縄大名誉教授は「今までの環境影響評価(アセス)は全く無効になる」と批判する。
防衛局の変更申請には、新基地建設に反対する名護市に管理権がある地区を避けて工事を急ぐ「名護市外し」のいびつな政治的側面も照らし出されている。
さらに、魚類に詳しい琉球大理学部の立原一憲准教授は、淡水の美謝川と大浦湾を行き来する両側回遊魚が河川を上らなくなる可能性が高まり、魚種や個体数の減少は不可避と指摘している。
要するに魚が生きられなくなるということである。
「後出しじゃんけん」と指摘せざるを得ない大幅な計画変更は、最低限の民主的手続きを踏まえず、科学性を欠いている。環境アセスをやり直さないのであれば、アセス制度を否定するに等しい。〉
安倍首相や菅官房長官が沖縄防衛局を督励し埋め立てを急がせていますが、防衛局はどつかれればどつかれるほど無理を通そうとします。そうなれば当然やることが強引かつ支離滅裂になるわけで、県への埋め立て工事の設計変更申請はその実例です。これは微細ではなく大規模な変更ですから、計画を一からやり直すのが筋です。
しかしここまで場当たりの醜態をさらすのは計画が破綻しかけていることを自ら暴露してるのですから、やはりさっさと計画そのものを断念すべきです。
〔参考記事・社説〕
◆<社説>辺野古工事変更 アセス制度否定に等しい 10・27 琉球新報
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