〈安倍晋三首相は26日、茨城県の航空自衛隊百里基地で開かれた航空観閲式に出席した。集団的自衛権の行使を容認した7月の閣議決定を踏まえ、「いわゆるグレーゾーンに関するものから集団的自衛権の行使に関するものまで、切れ目のない新たな安全保障法制を整備していく」と訓示し、来年の通常国会に向けた法整備に改めて意欲を示した。
首相は「憲法の平和主義の理念は世界に誇るべきだが、内向きな一国平和主義であってはならない」と指摘。「積極的平和主義を掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に役割を果たすことが、平和主義の理念にかなう道だ」と述べた。〉
〈改憲・命〉の安倍が現憲法の平和主義を「世界に誇るべきもの」と語るのは滑稽を超えた戯画ですが、「内向きな一国平和主義であってはならない。積極的平和主義を掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に役割を果たすことが、平和主義の理念にかなう道だ」という表現は、これまで定義がぼかされてきた「積極的平和主義」の内容を正確に示しています。
7・1解釈改憲の核心である集団的自衛権の行使容認と合わせて考えると、安倍の掲げる「積極的平和主義」とは「世界政治に軍事力をもって〈積極的に〉介入し、ニッポン国の威を振るう」、すなわち「強い国」であることを誇示するということです。なんのことはない、これは軍国主義にほかなりません。
ここでは「平和主義」は鋭利な爪を隠すカバーにすぎません。つまり「積極的平和主義」はその本質において「積極的軍国主義」です。安倍の信条である「戦後レジームからの脱却」とは、日本国憲法に基づいて確立されてきた戦後民主主義的価値観を根本からくつがえし、9条が規定する絶対的平和主義を否定して軍事大国に転換することです。
自民党のポスターに「日本をとりもどす」とありますが、自民党の党員たちはその意味を理解しているのでしょうか。
「積極的平和主義」は一皮むけば何の新味もない旧態依然の軍国主義であるととらえていいと思います。安倍は見果てぬ夢でしかない「第2の富国・強兵」を追い求めています。
〔参考記事〕
◆オスプレイも展示 10・27 読売/茨城
http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20141026-OYTNT50361.html?from=yartcl_popin
◆観閲式でオスプレイ視察=安倍首相 10・26 時事
写真 自衛隊観閲式で、MV22オスプレイを見学する安倍晋三首相(右手前)=26日午後、茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014102600075
◆百里基地で航空観閲式 オスプレイ展示 10・27 茨城 ・動画あり
・記事から
首相 安保法制整備を強調
安倍晋三首相は26日、自衛隊創設60周年を記念した航空自衛隊百里基地(小美玉市)の航空観閲式で訓示し「(他国からの武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態から集団的自衛権の行使に関するものまで、切れ目のない新たな安全保障法制を整備していく」と強調した。ただ公明党は自衛隊活動の拡大に慎重な姿勢を崩しておらず、今後の与党内調整が焦点となる。
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14143269895406
◆安倍首相:積極的平和主義に貢献を 航空観閲式で激励 10・26 毎日
自衛隊が発足して60年を記念して開かれた航空観閲式で、米軍の案内でオスプレイを視察する安倍晋三首相(手前左から2人目)=茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地で2014年10月26日、徳野仁子撮影
◆首相「切れ目ない安全保障法制を」 自衛隊観閲式で訓示 10・26 朝日
【動画】自衛隊創設60周年記念の航空観閲式=内田光撮影
写真 航空観閲式に出席した安倍首相(中央左)と江渡防衛相=26日午前、茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地、内田光撮影
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